極楽寺(寛政年間に曹洞宗に改宗、善宝寺末寺)、五輪塔2基と宝篋印塔3基(お堂内・幾内様式)、五輪塔(お堂外は1650年(慶安3年))がある。
山形県指定有形文化財(1953年(昭和28年)2月20日認定
五輪塔(ごりんとう)2基(高さ0.76m)
宝篋印塔(ほうきょういんとう)3基(高さ1.12m)
この五輪塔と宝篋印塔は、ともに極楽寺裏山から1937年(昭和12年)の土取り工事の際、出土したもので、どれも花崗岩でできている。
五輪塔は、仏教の世界観である万物を構成する五大元素の地・水・火・風・空をそれぞれ方・球・三角・半球・団の形で表し、下から積み上げた塔である。日本では、平安時代中頃から造られるようになるが、この五輪塔は鎌倉時代末頃のものと推定されている。
宝篋印塔は、屋根四隅の耳飾りが特色で、垂直に近く立つほど時代の古さを示すものとされている。日本では、鎌倉時代頃から造られるようになるが、この宝篋印塔は鎌倉から室町時代のものと推定されている。
五輪塔も宝篋印塔も墓や供養塔として造られたが、誰を祭ったのかは謎である。また、製作技法に近江など関西の様式がうかがわれ、関西方面との交流という加茂港の海運の歴史を語る石造文化である。
2020年(令和2年)9月28日
所有者 極楽寺
鶴岡市文化財愛護協会
加茂の文化遺産を愛する会