2016年加茂レインボービーチ海水浴場レポート【加茂地区自治振興会】田村隆司さん
2016年加茂レインボービーチ海水浴場レポート【加茂地区自治振興会】田村隆司さん
<その1>
下の写真は、加茂レインボービーチ海水浴場西側に位置する舟出し突堤の全景である、ここは、海水浴場の中でも、飛込み台や筏などの遊具に近いことやカニや貝捕りなど生物の観察の容易さから子供たちにも大人にも人気のスポットである。
この夏、23日間の海水浴場開設期間中、10日余りをこの場所を舞台に暑い夏をエンジョイされた一組のファミリーにスポットをあててみた。
次の写真が、今夏、当海水浴場エンジョイ №1 ファミリー 森さん一家(鶴岡市)
【森さんご夫妻・長女のみゆきさん(小学3年生)・長男の琉志くん(小学1年生)】
<その2>
それでは、森さん親子の海水浴場での平均的な一日を紹介してみよう。
午前9時前後に海水浴場に到着すると、すぐに、舟出し突堤の先端に近い部分
(いつもこことは限らない)に荷物を置いて泳ぐ準備を始める、ここで4人が準備した道具を見てみると、四人それぞれがシュノーケル付の水中メガネにアルミ製の玉網を持つ、待ちきれない長男の琉志くんは、突堤の先端部角付近から2・3回海に飛び込んでウオーミングアップを開始するが、姉のみゆきさんは採捕した魚介を入れるための水槽を突堤の中ほどの海際に置く、これで一日の活動準備の完了である。
先ず、子供たち2人と森さんが海に入り玉網を使って突堤の周りを思い思いに探ってゆく、その様子をお母さんが、突堤の上から子供たちの状況を確認しながらアドバイスを送る、玉網にお目当てのものが入ると、都度水槽の所に戻って水槽に入れてゆく、この繰り返しで水槽は見る見るうちに、にぎやかになってゆく。
水槽に魚が増え時間の経過とともに水槽内の水温が上昇するのにも親子はきちんと対応する、そして、捕獲した魚介の観察の記録と写真を撮り、帰路につく前に水槽内のさかなはすべて海に返(リリース)している。
取材者(私)が親子の行動と水槽の中身に興味を覚えたのが、海水浴場があと三日で終了するという、8月12日だった、監視棟から降りて水槽をのぞいて思わずうなった、『なにこれ!』 この加茂で、70年も生きている私も見たことの無い 魚・ウミウシ などが泳ぐ、それは、それは、楽しいミニ水族館があるではないか、加茂水族館の奥泉館長には申し訳ないが、加茂水族館にもこんな楽しい水槽は無い、正直そう思った。
【一休みの時間にお願いして水槽の横に立ってもらった、 8月13日】
<その3>
8月13日(土)と 8月14日(日)の水槽の記録があるので紹介をしたい。
13日午前中の水槽 (上) 午後からの水槽 (下)
ヨウジウオ ・ カワハギ・ウマヅラハギの稚魚 ・ イシダイの稚魚 ・ クジメ(アブラコ)
ハタ ・ ソイ ・ メバルなどの稚魚 ・ ベラの仲間 ・ アメフラシ(ウミウシの仲間) ・ ウニ ・ ヒトデ 等が見られる、午後からの水槽になると さらにカワハギの仲間が増え、小さいウミウシも入って賑やかさを増している(動画で無いのが残念)。
8月12日の記録が無いのが残念だがこの日はもっとすごかった、ブルーの体に白のストライブの入った小指大のウミウシ ・ 小判型の紫褐色の岩と見紛うウミウシ ・ タツノオトシゴの仲間 など見たことの無いようなものが多く 琉志くんに名前を教えてもらったが、メモを忘れてしまい思い出せない、 ごめんね!
<その4>
8月14日(日)の水槽
この水槽の写真は、いずれも上から撮ったもので カレイの稚魚 ・ 緑色のえび
小さいウミウシ がいたので確認できるように上からの撮影になった。
この小さな海水浴場の一角、小学校の25メートルプールにも満たないような、わずかな場所に驚くほどの種類の生物が生息していること、また、成魚になると1mにもなるような魚でも稚魚の時期には小魚同様、海藻の中、岩の割れ目で身を守りながら生きていることなど、厳しい自然の掟を垣間見るようで興味深い。
そして、何よりもこの夏、親子4人が向かい合って過ごした、この海水浴場での濃密な時間に拍手喝采を送りたい。
終りに、こどもたちの、この夏の成果(自由研究?)も見たいものである。
<その5>
海水浴場が終了し後片付けをしていた時に加茂水族館 館長の奥泉和也さんに出会いました、そのときに森さん家族の海水浴場での体験をお話ししましたら、とても興味を示されましたので、後日、その写真と取材記事をお見せしたところ大変喜ばれ、
取材者(私)宛にコメントをいただきましたので紹介いたします。
【写真は鶴岡市立加茂水族館 館長 奥泉和也 氏】