加茂地区へ寄せる想い〜その1〜【東北公益文科大学】渡辺暁雄先生


加茂地区へ寄せる想い(その1)「人作り=地域づくり」【東北公益文科大学 渡辺暁雄先生】

■盛況だった極楽寺「お休み処」企画

 7月20日,土曜を含む3連休の中日,加茂の皆さんは大漁フェスティバルで大忙しの中,私たち公益大グループは,極楽寺さんの敷地をお借りして「お休み処」企画をしました。本学学生が,徒歩で水族館まで移動するみなさんに麦茶をふるまい,子どもたちには水ヨーヨーをプレゼント。極楽寺さんの縁側には加茂小学校の子どもたちが描いた絵の展示。100人近い方々にお立ち寄りいただき,楽しんでもらったのですが...。

 当初,計画段階で,第2駐車場(旧加茂中学校跡地)から歩く人はせいぜい総計100人ぐらいで,お休み処に立ちよってくれるのは多くて50人ぐらいだと思っていました。それが当日,9時30分の時点で第2駐車場に車が廻されるようになり,瞬く間に満車。シャトルバスを待ちきれないで徒歩で岡町通りを移動した方が,私たちが計測した9時30分から14時30分の間だけで321人。終日では500人ぐらいだったと予想されます。私たちの予想をあっさり上回り,おもてなしに忙殺され,当初予定していたスタンプラリーなどの実施が不可能になりましたが,立ち寄った方々からは「ありがとう」,「とても助かります」など感謝のお言葉を沢山頂戴しました。

■人作り=地域づくり

 公益大学では,この3年間,加茂に多くの観光客が来訪してもらうため,加茂の美しい町並みや寺社仏閣,景観のすばらしさをアピールする企画を,地域の方々や加茂水産高校の生徒さんと共に考え,実施してきました。ご存じのように「まち歩きマップ」,「加茂メインサイン」,「景観ベンチ」がその成果です。こうした企画を実施する上で,私たちがもっとも大切にしたこと,それは地域内での「合意形成」です。これまでのまちづくりでは,どうしても行政主導。何かわからないが,上の方でやっているという印象の強いものでした。しかしまちづくりは,本来その地域の方々が,自分たちのまちについて,自分たちで考え,実行していくものです。今,そして将来的に,この地域に何が必要か,地域の方々が一緒に考え,話し合って決めていく,その過程で未来の加茂を担う人材も育っていきます。

 私たちは何か成果品を作るのではなく,「人を作る」ことを重視しました。