加茂地区へ寄せる想い〜その2〜【東北公益文科大学】渡辺暁雄先生


加茂地区へ寄せる想い(その2)「加茂一丸となったまちづくりの夢」【東北公益文科大学 渡辺暁雄先生】

■「レインボークラゲ」と若手の活躍

 実際に今回の「お休み処」企画と連動して,加茂にお住まいの若手の方々の活躍が目を引きました。水族館来館者への歓迎の雰囲気づくりのため、地区在住の秋野わかなさんの発案およびデザインの「レインボークラゲ」。これをあしらった歓迎メッセージが,秋野さんの呼びかけにより,多くの家々の前に展示されました。イラストデザインもさることながら,メッセージは各家々の皆さんが書き込んだ「歓迎」の気持ち,お休み処に訪れた皆さんにも大好評。「心から歓迎されているのがわかって,加茂が好きになりました」とおっしゃるファミリーもいました。

 このHPを運営され,毎日のように新情報を提供している(これ自体とても労力がいる作業です)伊藤薫さんもそうですが,加茂の将来を担う若手が確実に育っています。

■加茂一丸となったまちづくりの夢

 こうした若手の皆さんの活躍は,公益大もサポートしていきますが,本来その役目は加茂にお住まいの方々みんなが担うものであると,僭越ながら思うわけです。

 例えば今回の「レインボークラゲ」,岡町通りだけではなく,加茂のまち歩きスポット,いや,加茂地区全域でやってみたらどうでしょう。玄関先にゆらゆらと漂う七色のクラゲが,夏の日差しに輝き,それぞれに各家々独自の歓迎の気持ちが表わされている。そして街の人たちの笑顔がプラスされたら,観光客なんて一発でコロッ(笑)となっちゃいます。

 また,これは日程的に限定されますが,大漁フェスティバルをまち中まで「拡張」してはいかがでしょうか?大漁フェスティバルの日に限らず,連休や夏休みなどの繁忙期,ちょっとした屋台などを通りに出すだけで,歩く人のお腹も気持ちも癒します。それだけ,まちなかを歩く人が確実にいるわけですから。

■思い出作りのまち・加茂

 加茂水族館のリニューアル,話題性が高く,認知度は全国規模です。たしかに話題に負けないだけの新機軸満載のクラゲドリーム館です。ただし,今回の「お休み処」企画も,それに負けないぐらいに訪れてくださった方々の印象に残ったようです。夏の日差しに輝く水面(みなも)に浮かぶカラフルな水ヨーヨー,どれにしようか真剣に迷ったこと,一杯の冷えた麦茶を古い茅葺屋根の縁側で一気に飲み干したこと,案外そうした「とるにたらない」思い出が,メインの思い出よりも,心に深く刻み込まれ,あとあとまで思い起こされたりするものです。

 こうした思い出が,加茂の伝統文化や景観に興味を持ってもらうための第一歩となり,また行ってみたいという気持ちを起こさせます。これまで第2駐車場に車を停めるのは,加茂水族館に行くため「仕方なく」,でした。しかしいしつか,同駐車場に止める目的が違ってきて,こんなことをおっしゃるお客さんが沢山でてくるかもしれません。

「まち歩きしたいから,停めたんですよ」。