=大規模災害に備えて!= 加茂地区自主防災組織主催 防災講演会を開催しました
去る令和7年3月14日(金)加茂コミュニティ防災センターにて、加茂地区自主防災組織連絡協議会(斎藤正哉会長)主催の加茂地区防災講演会が開催されました。今回は、株式会社大滝商会会長の大瀧一雄氏に講師をお願いし、「災害時のトイレ事情と災害関連死」について講演を行なって頂きました。講演会には自主防災会役員と地域住民27名が参加し、大規模災害が起こった時本当に必要なもの!について学びました。
加茂地区は、令和元年6月の山形県沖地震から令和6年7月の大雨までの6年間で、5回(地震、火災、停電、大雨含む)、加茂コミセンが避難所や待機所として活用されています。この短い間にこれだけの災害が発生し、住民が避難をしないといけないレベルの災害が増えてきたことを考えると、今まで通りの訓練や備えでは不十分と考えられます。しかし、運よく加茂コミセンの避難所のライフラインが止まったことはなく、避難している間も暖が取れたり、トイレが使えたりと不自由なことはありませんでしたが、コミセンはどんな災害が起こっても電気や水が使えて、快適に過ごせると思ってはいないだろうか。

講師の大瀧一雄氏

大規模災害が起こってしまった場合“何に一番困るか”という話の中で、一番はトイレ問題ということでした。水が流れないため、便器の中に排泄物が積み重なっていく。それを施設や役所の職員がナイロンをかぶせた手で処理を行うという生々しいお話しもありました。
次に感染症を起こさないための消毒用アルコールの備えが必須。人が多く集まり、衛生管理が悪くなってくると感染症が流行ってくるため、予防対策が大事ということでした。
食べ物も必要だが、あるものを分けて食べれば何日かは過ごせる。しかし、トイレはどんな状況であっても必ず利用しなければなりません。中にはなるべくトイレに行かないようにと、食べ物や水を拒む人が増えてきて、それが長く続くと体調不良を起こし、生死にかかわってくるようになります。これが災害関連死といわれるもので、災害から逃れても、避難所で亡くなる方が少なくはないということでした。
また、災害が起こった時、大事なのは「自助」「共助」で、避難所に来たからと言って全てを公共に頼るのではなく、例えば常に携帯トイレを自分で準備しておくなどの備えが必要とのことでした。今回は、参加者に、カバンなどにも入る携帯トイレがお土産として配られ、自分でも備えられるものがあるのであれば、まずはできることからとお願いしたいと大瀧氏はお話しされていました。
加茂地区自主防災組織連絡協議会では、自治振興会予算の10万円で各1次避難場所に水と非常食を購入しています。加茂地区でも避難指示の解除前に帰宅した住民が多く、一番の理由はトイレがない、食べ物がない、寒いといった理由からでした。1次避難場所への支援はまだまだ少ないが、鶴岡市からは沿岸部の1次避難場所(全戸配布含む)にポンチョが配布されています。全戸分の水と非常食にはまだ数が足りていないが、今年度も予算が確保できたことから、簡易トイレや非常食など必要な物資を継続して備えていく予定にしています。

参加者に配布された携帯トイレ

1次避難場所に配備された非常食